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2022.03.07(月)  津田鉄平

鼻中隔湾曲症の手術から学んだこと

鼻中隔湾曲症の手術から学んだこと

こんにちは!ストレッチトレーナーの津田です。

2/10(木)に鼻中隔湾曲症治療の手術をしました。私は長年鼻づまりに悩まされており、それを治すことが目的です。結論から言うと、この手術により世界が変わりました。

「こんなに鼻から呼吸ってできるの?」と、生まれて初めて100%で行える鼻呼吸に心底驚いてしまいました。それと同時に、鼻呼吸の重要性、そして心と体の健康について強く再確認をすることができました。

今回は、私と同じく鼻づまりに苦しんでおり手術を考えているが一歩を踏み出せない方への参考情報、そして実体験を通して改めて学んだ心身の健康の大切さ、この2点について記します。

鼻中隔湾曲症とは

鼻中隔湾曲症とは、鼻の穴を左右に隔てている鼻中隔(軟骨のようなもの)が強く湾曲して鼻詰まりなどの症状が慢性的にあらわれる症状です。

私は幼少期からこの症状により鼻づまりがひどく、そして格闘技を本格的にはじめてから打撃を受けることで更に悪化しており、ほぼ鼻呼吸ができていない(恐らく健常者に比べ20〜30%ほどの鼻呼吸)状況でした。

昨年の2021年にプロのキックボクサーを引退し、この鼻中隔湾曲症の手術をすることを決めました。現役選手中には治療をしても、また鼻に打撃を受けると悪化するため断念していました。

手術を決断した経緯

鼻呼吸が出来ないと生活時の息苦しさはもちろん、スポーツパフォーマンスの低下、疲労回復の非効率化、睡眠の質の低下、などQOL(生活の質)が格段に落ちます。

私は生まれてこの方鼻呼吸ができない状況しか経験したことがないため、常に辛さはあるもののこの息苦しさが当たり前の人生でした。

鼻呼吸ができないと苦しくて寝ることができず、ナザールなどの血管収縮剤が配合された点鼻用スプレーを手放すことができません。強い鼻炎がある方は共感いただけると思います。

2021年にキックボクサーを引退し、手術を受けることを決めました。

手術をむかえるまでと手術当日

鼻中隔湾曲症の手術は、私にとって初めてとなる全身麻酔による割と大きな手術です。

全身麻酔は事前の検査も多く、またコロナ禍なので当然PCR検査などもあり、事前準備が多岐に渡りました。

そして、手術日を含めて1週間の入院予定です。

前日入院し絶食、手術当日は飲水も禁止です。全身麻酔により腸の動きが止まるため、胃に物があると嘔吐してしまうためのようです。

キックボクサー時代に減量による絶食や水抜きは何度も経験しているので、ここは余裕でした。

そして、いざ手術日。

全身麻酔に負けず絶対に起きておいてやろうと目を見開いていましたが、薬剤が投与されると視界がグニャンと歪み、次の瞬間には「津田さん、呼吸して下さい」と医師に肩を叩かれながら目が覚めました。約3時間が経過していました。

手術では鼻中隔と周りの肥厚した粘膜の切除と合わせ、後鼻神経と言う神経も切断するので術後の鼻の痛みはありませんでした。

しかし、全身麻酔中に呼吸確保のために喉に突っ込まれていた人工呼吸器の影響か、麻酔が切れた後は喉が痛みました。

そして、もう一つ痛かったのは尿道カテーテル。少し脚を動かすたびに尿道に通されたカテーテルにより、膀胱に針を刺されるような鋭い痛みがかけ抜けます。このカテーテルは、術後数時間で看護師さん(男性)が抜いてくれました。

全身麻酔後による身体の怠さも少しずつ抜けてきて、ひと段落つきました。

追い詰められた入院生活

手術は全身麻酔なので記憶もなく、痛みには強い方なので術後の諸々の痛みも大したことはありませんでした。

しかし、ここからが地獄の始まりでした。

鼻には喉に届こうかと言うほどパンパンにスポンジと綿球が詰められており、鼻に空気は一切通りません。100%口呼吸です。自分の鼻が無くなったのではないかと疑うレベルです。

これまで、いくら鼻づまりがあるとは言えど多少は鼻に空気の通り道があったのですが、ここまで完全に鼻が塞がれる状態はさすがに初めて。呼吸は、犬が口でハァハァ言っているのと変わらない状態で、即座に喉が過度の乾燥により痛みに襲われます。

飲食をする際には、口で咀嚼をすると窒息しそうになるので少しずつしか口に物を入れられません。そもそも食欲はあまり出てきません。

集中力も保てず大好きな読書もできません。

何より辛かったのは寝ることができないことです。要因は3点。

1つ目は、100%口呼吸である苦しさ。鼻をつまんでみて下さい。寝ることができないんですよ。

2つ目は、運動が一切できないことにより筋肉が疲れていないこと。特に私は日頃から身体を動かす機会が多いので、血流が悪くなり、体は寝る準備が整わず、眠気が出てきません。

3つ目は、精神的なストレス。24時間鼻を密閉されていることにより閉塞感を強く感じ、精神的にも非常にネガティブになってしまいます。すると、入眠に必要な要素である副交感神経も働かず、寝ることができません。

結果、うとうとする瞬間はあるものの、恐らく3日連続で1日1〜2時間ほどしか寝ることができませんでした。

このままだと精神を病んでしまうと感じました。鼻の出血は想定より早く止まっており回復経過も順調であったので、私は担当医に懇願し当初予定よりも早く鼻の詰め物を抜いてもらいました。更に、自宅療養を承認いただき無理矢理退院させていただきました。

先生にはわがままを言って申し訳無かったと思っていますが、あれ以上鼻を密閉され何もできない状態で入院を続けるのは私には耐えられませんでした。

私の気持ちを最優先に判断していただいた先生と病院の対応には心から感謝しております。

鼻呼吸により世界が変わった

話は少し戻りますが、私のわがままにより予定より早く鼻の詰め物を抜いてもらった瞬間のことです。

鼻の奥まで詰められたスポンジとガーゼが抜かれた瞬間、鼻に巨大なトンネルが開通したかのように空気がこれでもかと言うほどに通り抜けました。もしくは、ピストルで鼻から脳天にかけて穴が開いたのかと思うほど空気の流れを感じました。あの瞬間の感動は今でも鮮明に残っており、今後も一生忘れることはできないと思います。

それからと言うもの、睡眠の質が大きく改善されたことはもちろん、食べ物の味、大好きなコーヒーの香り、草や緑の匂い、全てにおいてこれまでの人生で感じたことのない濃さを体感しています。人生は素晴らしい、生きてて良かったと思えるレベルです。

今回学んだことと健康の大切さ

私はストレッチトレーナーとして、お客様の健康な身体作りのサポートを仕事としています。

そして、これまでも「心身の健康を」と言うワードにより体だけでなく心の健康も大切に考えてきました。

今回の経験でその意味合いをより一層深めることができました。

今回の経験で学んだこと、それは「心と体は確実に繋がっている」と言うことです。

当たり前だと思われるかもしれません。しかし、私は実体験を通して改めてこの価値観の重要性を再認識しました。

体が不調だと心もネガティブに引っ張られ、反対に体が健康だと心もポジティブになる。

同じく、心が病んでいると体(免疫力)の機能も低下し、心が健康(前向き)だと体も健康になる。

これを、普段の生活に生かすには、例えばストレスが溜まっている時こそ運動で無理矢理にでも体を動かす、病気になった時こそ馬鹿話をしたり夢を語ったりお笑いを見て無理矢理にでも笑う。これで前者の悩みはたいてい吹き飛びます。

まとめ

色々書きましたが、今回お世話になった八王子医療センターの先生、そして看護師の皆様には心から感謝しています。特に接する機会が多かった看護師の皆様は、早朝から深夜に渡り非常に優しく丁寧かつ真摯に患者一人一人に向き合って下さっており、感銘を受けました。

看護師は素晴らしい職業であると感じた一方で、もっと待遇や職業としての価値が高まるべきであると感じました。

私も彼らを見習い、お客様の心身の健康、そこから人生の充実に至るまでサポートできるトレーナーになろうと、心に誓いました。

最後までお読みいただきありがとうございました。

ストレッチトレーナー 津田鉄平

この記事を書いたトレーナー
津田鉄平

津田鉄平

1984年11月9日生まれ。 元プロキックボクサーであると同時に、パートナーストレッチと食事管理を中心としたパーソナルトレーナーとして、多方面に渡るクライアントを担当。 栄養学や食事管理にも精通しており、自身の経験をベースとした身体作りや体重コントロールの知識を保有。 自身のトレーニングには、フィジカルのみならずビジョントレーニングやメンタルトレーニングも取り入れており、 心と身体のバランスを重要視したコーチングに長けている。

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