よく
「身体はつながっているからね~」
なんて事を会話の中で耳にすることありませんか?
どのような時にそんな会話が出てくるでしょうか?
例えば、
足首を捻挫してしまいました。
そうした時に膝や腰まで痛くなった経験がある方いませんか?
もしくは、
反対の足まで痛くなった経験がある方もいるのではないでしょうか?
こんな時、「身体はつながっている」と感じますよね。
今回はこの「身体はつながっている」ということをトレーナー目線で解説していきます。
それを紐解くのに重要な今回のワードは
【複合関節運動】
です。
複合関節運動とは
【複合関節運動】とは、一つの関節だけが動くのではなく、複数の関節が関与し、動作を作り出すことを言います。
人間の動きはほとんど全てが【複合関節運動】です。
ここでよく覚えておいていただきたいのが、
複数の関節が関与しますので、
『一つの関節運動が他の関節に影響を与える』ということです。
例えば、
どのようなことか二つ例に挙げながら考察を深めていきましょう!
例1
あなたは、足底(足裏)の筋肉が無くて、すご~く偏平足です。
その足では、接地したり荷重したりする度に足が内側につぶれてしまいます。(回内と言います)
そうすると、上にある膝も内側に入り、
股関節もつられて内旋されてきます。
この回内という足の動きは悪いことではありませんが、
偏平足の影響等で過度に起こると、
【過回内】や【オーバープロネーション】と呼ばれ、
膝が過度に内側に入ることでのストレスで膝痛を起こしたり、
股関節が内旋され続けることで、臀部の筋力低下をもたらしたりします。
例2
あなたはこれからゴルフのスイングをします。
この時、胸椎という胸の後ろにある背骨が一番回旋(30°~35°)し、
腰椎といういわゆる腰骨はあまり回旋しない(5°~10°)
という内訳での回旋が理想です。
しかし、残念ながら脳は『タスク志向』なので、
「スイングで体を捻る」という指令を送る時に、
どこを捻るという「質」よりもどのくらい捻るという
「量」を優先して指令を送るのです。
つまり、胸椎が硬くて、仮に20°くらいしか回旋しないと、
腰椎が20°くらい回旋を頑張ってしまいます。
さらに残念なことにそうすると、
腰椎は元々固定・安定させるのに適した関節
(スタビリティジョイント)ですので、
無理に捻ると、構造上ケガや炎症を起こしてしまいます。
この二つの例で、
『一つの関節運動が他の関節に影響を与える』
ということがわかっていただけたでしょうか?
つまり、それを考えると、
今ある関節の痛みは「結果」であり
「原因」は他にある可能性が非常に高いですよね?
(隣接する関節が硬い、動きが偏っている等)
ただ原因を究明する場合に、気を付けていただきたいのが、
例1で膝痛が起きたと仮定した場合、
過回内→股関節内旋→膝にストレスかかって発生
というパターンも考えられれば、
逆に股関節内旋→過回内→膝にストレスかかって発生という
パターンも考えられます。
まさに卵が先かニワトリが先か問題です。
このように人間の身体は、
一つの原因を探るには非常に複雑で難しいです。
ですので、
原因がハッキリしない痛みや不調がある場合は
どこかの部位単体を改善するよりも
動作をまるごと改善してしまうのが実は効率的です。
実は、
そんな動作改善のトレーニングがあるんですよねぇ(笑)
それこそが、
【ファンクショナルトレーニング】
と呼ばれるものです。
ファンクショナルトレーニング
これは下記のように従来のトレーニングと
対比させるとその全貌がわかりやすいですが、
【従来のトレーニング】
・目的:身体の構造に関するもの
ex.筋肉を増やす・単独の筋群を鍛えていく単関節運動が多い
↕
【ファンクショナルトレーニング】
・目的が動作やパフォーマンスの向上に向かっていくもの
ex.関節が正しく機能するようにトレーニングする
複数の筋群の協調性を鍛えていく複合関節運動が多い要は簡単に言うと、
【ファンクショナルトレーニング】とは
動作の質を上げていくトレーニングです。
膝が痛い場合に、
レッグエクステンションという
膝を伸ばして大腿四頭筋(腿の前の筋肉)を
鍛えるマシンで膝関節の安定性を高めるのも
確かに間違った解決策ではありません。
ただ膝が痛くなった原因は他にあると思いますので、
【ファンクショナルトレーニング】で
動作をまるごと改善することが
もしかしたらより効率的な解決策かもしれません。
といった事を伝えたかったのが今回の投稿です。
この世の中自体、
単一の筋肉や関節の改善だけでなく、
「動作を見直す」ということに
もっとフォーカスしていっていいのかもしれませんね。
だって、人間の動きはほとんど全て【複合関節運動】なのですから。
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