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2019.07.26(金)  青木孝介

炎天下でスポーツパフォーマンス低下を防ぐ暑さ対策

炎天下でスポーツパフォーマンス低下を防ぐ暑さ対策

2020年の東京オリンピック開催まで1年を切り、日本列島は徐々に夏らしい厳しい気候に変わりつつあります。

 

生活をするだけでも大変な気候ですが、スポーツを行っている人は、この様な環境下で運動をせざるを得ない状況もあると思います。
高温による体温の上昇は、スポーツパフォーマンスの低下のみならず、命を脅かすことさえあり、必ず対応策が必要になります。
今回は『炎天下での運動パフォーマンス低下を防ぐ暑さ対策』についてお話しします。

 

脱水症状による影響


水分は体内で体液として、栄養素や酸素の運搬や老廃物の除去、体温調整などの役割を担っています。
しかし炎天下での運動では発汗が増えることで脱水を進行させます。

 

運動中の発汗量は多い時で2ℓ/時にも及ぶと言われています。
脱水が生じることで、体温調整する為の熱放散能力が低下して体温の上昇が起こります。

 

体重の2%までの脱水では体温の上昇はあまりみられませんが、それ以上の脱水は1%毎に体温約0.3℃、心拍数5~10拍/分の上昇が起こるとされています。

 

適度な体温の上昇 (約38℃) は運動パフォーマンスの向上に繋がりますが、過度に体温が上昇 (約39℃) すると運動パフォーマンスのみならず、脳の認知機能の低下が起こる可能性が増大します。

 

 

熱中症


熱中症とは高温環境下で起こる障害の総称で、重症度毎に熱失神、熱痙攣、熱疲労、熱射病の4段階に分けられます。
これらの症状は体温上昇による脱水によって生じ、最も重症度の高い熱射病は死亡事故に繋がる危険な症状です。
高温環境下での運動では、この様な症状が出ない様に、また運動パフォーマンスの極度な低下を起さない様に予め対策をとることが非常に重要になるのです。

 

 

パフォーマンス低下を防ぐ対策


高温環境で運動を行う時には、パフォーマンスを低下させない為にも、熱中症予防の為にも必ず対策を取る必要があります。

 

代表的な方法は
▷水分補給
▷身体冷却

です。

 

それぞれ詳しい内容を見て行きましょう。

 

 

【水分補給】

以前までは運動時の水分摂取量は、発汗量と同等の量の摂取が必要と言われていました。
しかし、発汗量を大きく越えた水分摂取を行う事で、血中ナトリウム濃度の低下が起き、痙攣や呼吸困難などの低ナトリウム症のリスクが高まります。
その為、現在では 『体重の減少が2%を超えない範囲での水分補給』が推奨されています。

 

水分摂取量の目安は
運動前1時間 500ml
運動中 500~1000ml/時
運動後1時間 発汗量の約1.5倍
1度に胃から腸に移動できる水分量は約200~300mlなので、コップ1杯程度の水を小まめに摂取することが理想とされています。

 

喉の渇きは、脱水が進行してから起こる症状なので、渇きを感じる前から小まめに摂取することを心掛ける事が大切です。
また低ナトリウム症を防止する為に、発汗と供に失なわれたナトリウムやカリウムなどの電解質の摂取が必須です。
その為には電解質と糖質を含んだスポーツ飲料が有効です。

 

糖質が含まれている事で、疲労回復だけでななく、腸内での吸水速度を速める事が可能になります。
スポーツ飲料に含まれている糖質を気にして薄める事は、十分な電解質の摂取を阻害する為おすすめしません。
長時間やハードなトレーニングを行う際には特に以前ご紹介した糖質+BCAAを混ぜたドリンクがおすすめです。

 

 

【身体冷却】
身体冷却とは、身体を内部あるいは外部から冷却し、体温を下げる方法です。
身体冷却を行う事で体温の上昇による運動パフォーマンスの低下や熱中症の予防に非常に有効です。

 

▶︎内部冷却
内部冷却は、運動前や運動中に冷たい飲料を補給する事で身体を冷却する方法です。
最近では “アイススラリー” と呼ばれる氷の粒が混ざった飲料が注目されています。氷の粒子が体内で水に変わる際に熱を吸収してくれる為、内部からの身体冷却に非常に効果的です。

 

▶︎外部冷却
外部冷却には、アイスパックやクーリングベスト、冷水浴などがあります。
アイスパックやクーリングベストは運動の休憩中に体温を下げることに有効です。
冷水浴は運動前に行っておくことが有効です。
約25℃の水温で30分程度の浸かる事で体温を約1℃低下させます。
これにより運動中の心拍数や発汗量を減少させる事ができ、特に持久系の運動能力向上に効果があります。

 

 

まとめ


猛暑日の高温下での運動は、体温が上がりやすく運動パフォーマンスの低下が非常に起こりやすくなります。
またパフォーマンス低下のみならず、熱中症のリスクも増大します。
この様な環境下でパフォーマンスを落とさない様にする為には対策が必須です。

 

有効な方法は
▷電解質や糖質を含めた十分な水分補給
▷身体冷却による体温上昇の予防

です。

 

高温環境下での試合であれば、これらの対策をしているかどうかで勝敗を左右する事も十分に考えられます。
今まで培ってきた物を当日の環境で無駄にしない様に、必ず対策を行ってください。

この記事を書いたトレーナー
青木孝介

青木孝介

1988年静岡生まれ東京育ち 大手スポーツジムで10年間トレーニング指導。毎月100件以上のお客様のトレーニング指導を経験。 幼少期から水泳、野球、サッカー、テニス、陸上と様々なスポーツをかじる。競技能力を向上すべく思考錯誤をし筋力トレーニングに興味を持ち始める。しかし、「筋力トレーニングは筋肉を固くする、」という古い迷信を間に受け断念する。 高校時代に所属していた水泳部の大会でトップ選手との体格差にショックを受け、ようやく筋力トレーニングを始める。 筋力トレーニングを始めて数ヶ月で自由形のタイムが1秒短縮され、その効果を実感するも同時に引退の時期となり目標を失う。 大学に進学後、スキー競技にのめり込み、トレーニング熱にも再び火がつく。 数年後、高校時代の旧友と再会した際、友人達の衰えを目の当たりにし、トレーニングのアンチエイジング効果の凄まじさに気が付く。 自らトレーニングするだけでは飽きたらず、パーソナルトレーナー、スキー指導員の資格を取得する。しかし、必ずしも競技に直結しない身体造りに疑問を持ち始める。 様々な勉強していく内に、筋力増加以外にも身体に染み付いた動きを改善し、筋力の神経伝達の順序等を覚える必要性に気が付く。その頃FMSと出会い、FMS認定トレーナーの資格を取得する。 トレーニング指導のモットーは「目の前のお客様に尽くす事」

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