“BCAA” は今やかなりメジャーなサプリメントで、実際に摂取されてる方も多いと思いますが、その正しい効果や摂取タイミングはご存知ですか?
スポーツやトレーニングの現場でもよく摂取している人を見かけます。
パフォーマンスを上げる為にサプリメントは非常に有効です。
その中でもBCAAの運動中の摂取はおすすめです。その代表的な3つの効果と摂取方法について詳しく解説していきたいと思います。
BCAA (分岐鎖アミノ酸) とは?
たんぱく質を分解した粒子をアミノ酸と呼びます。
自然界にアミノ酸は約500種類あると言われていますが、その中でも人間の体に必要なアミノ酸は20種類です。
20種類のアミノ酸のうち、
11種類 → 非必須アミノ酸
(体中で作れるアミノ酸)
9種類 → 必須アミノ酸
(体中で作れないアミノ酸)
必須アミノ酸は体外から摂取する必要があります。
必須アミノ酸のバリン・ロイシン・イソロイシンと呼ばれる3種類が筋肉を作る時に特に必要となるBCAA (Branched Chain Amino Acids) と呼ばれるアミノ酸なのです。
パフォーマンスをあげるBCAAの3つの効果
【筋肉の材料になる】
筋肉の中に含まれるアミノ酸のうち35~40%はBCAAで占められています。
つまりBCAAは筋肉の材料としてとても重要なアミノ酸なのです。その中でも特に “ロイシン“ が筋肉作る時 (合成) に強く働きます。
【エネルギー源になる】
身体の主要なエネルギー源は “糖質と脂肪酸” です。ハードな運動や長時間の運動を行うと、身体に貯蔵されている糖質が枯渇します。
糖質の枯渇が起きると、エネルギーを得る為に筋肉を分解して糖質や脂肪酸に変換させる ”糖新生“ と呼ばれる分解作用が体内で起こります。
つまり筋肉が削られてしまうのです。
BCAAを摂取しておく事でこの分解を防ぎ、代わりのエネルギー源として活用します。
【集中力をあげる】
もう1つの主な働きは “集中力の向上” です。
「え、何それ?」 と思う方もいるかと思いますが、これがどの様な仕組みなのかを詳しく説明します。
エネルギー源として脂肪酸が使われる際に、分解の過程でトリプトファンというアミノ酸が残ります。これが脳に運ばれます。
トリプトファンが脳に入ると “セロトニン” という神経伝達物質を作り出し、これが脳に精神的な疲労感を引き起こします。
現在の科学では、これが運動によって精神的な疲労を感じる原因とされています。
ここでBCAAが登場します。
脳内にアミノ酸が入るとき ”トランスポーター“ と呼ばれる運搬物質が必要になります。実はBCAAとトリプトファンは同じトランスポーターを利用しています。つまりトランスポーターの取り合いが起こるのです。
体内にBCAAが大量にあれば、トリプトファンは脳内に運ばれず、セロトニンが作られなくなり、これがBCAAが集中力を上げると言われる所以です。
BCAAの適切な摂取方法
BCAAはたんぱく質を分解したアミノ酸なので、胃に負担を掛けず腸で吸収されます。
摂取してから30分~60分で吸収され、血中アミノ酸濃度を最大にすると言われています。
この吸収速度を考えると、運動45分程前に摂取しておく事で、運動スタート時の血中アミノ酸濃度を上げておく事が可能です。プロテインにももちろんBCAA含まれていますので、プロテインの場合は75分~90分程前に摂取する事で、同じ効果が得られます。
長時間運動する場合は、45分~60分おきに摂取する事で、血中アミノ酸濃度を維持でき高いパフォーマンスを保つ事ができます。
一回の摂取量は身体の大きさにもよりますが、5~10gの摂取が推奨されています。
また運動後に摂取する場合は、プロテインと同時に摂取すると、BCAAとプロテインが胃の中でごちゃ混ぜになり ”消化吸収速度が速い“ というBCAAのメリットが失われるとも言われています。他の食事とも同様にタイミングを被せすぎない方が良いです。
またプロテインにはトリプトファンも含まれているので、トランスポーターが奪われBCAAの効果が半減する可能性もあるのです。
まとめ
何となく摂取している方も多いBCAAですが、この様の効果や摂取方法を知っていないとパフォーマンスを上げる為に、その効果を活かす事はできません。
サプリメントは、その効果と摂取方法をしっかりと理解した上で、自分に必要な物を選び摂取する様にしましょう。