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2019.01.10(木)  奥村 和正

その肩の痛み!「肩甲上腕リズム」の乱れが原因かも!?

その肩の痛み!「肩甲上腕リズム」の乱れが原因かも!?

今回は多くの方が悩む「肩の痛み」の原因になり得る【肩甲上腕リズム】の乱れについて解説していきます。

肩関節とは

そもそも「肩甲上腕リズム」って何?という方が多いかと思いますが、この「肩甲上腕リズム」について理解するためにまずは肩関節について簡単に説明していきます!

肩関節は主に肩甲骨、上腕骨、鎖骨、胸骨、胸郭に関連する5つの関節からなり、これらが連動して動きます。

①肩甲上腕関節
肩甲骨の関節窩(かんせつか、くぼみのようなもの)に上腕骨頭が連結した関節。
肩の動きのメインになります。
プラモデルのパーツのつなぎ目のような球状の関節で3Dに動く分、脱臼しやすい関節です。

②肩峰下関節
肩甲骨の肩峰(上に出っ張っている部分)と上腕骨の間でクッションの役割をして、滑りをよくしてくれる関節

③肩鎖関節
肩甲骨の肩峰端と鎖骨の肩峰端が連結している関節

④胸鎖関節
胸骨(胸の前にある骨、肋骨で胸椎と繋がりこれらをまとめて胸郭と呼びます)と鎖骨を繋ぐ関節

⑤肩甲胸郭関節
胸郭背面(胸の肋骨の後ろの方)と肩甲骨前面が連結し、肩甲骨の動きを作る関節

肩甲上腕リズムとは

実にこんなにも複雑な関節群が肩の動きに関係しているんですね!

それ故に非常に複雑な動きを実現できるんです。

肩の動きを作るためには、これらが単独で動くのでは無くうまく連動して動いているんです。

例えば腕をあげる動作では、肩甲上腕関節と肩甲胸郭関節は2:1の割合で連動して動くとされています。

気をつけの姿勢からバンザイをして肩が180°外転(横に広げる動作、この場合耳の横まで上げます)する時、

肩甲上腕関節は120°しか動かずに、残りは肩甲骨が60°上方回旋する事で180°の外転が成り立ちます。

かなりざっくりとした解説になりますが、この2:1の動きの割合を肩甲上腕リズムと言います。

痛みの原因

ここで注目していただきたいのが上で紹介した肩の各関節の繋がり方です。

通常関節は靱帯(じんたい)という繊維の束で骨と骨を結びつけ、関節包(かんせつほう)という膜に覆われる構造をしています(この中は潤滑液で満たされ関節の動きを助けます)

しかし⑤肩甲胸郭関節だけはこのようなものがありません。

つまり胸骨から鎖骨を通して肩甲骨はそこにぶら下がっているような感じになっているんです。

ではどうやってその安定性を保っているのかというと、これは周りの筋肉(主に首や背中の筋肉)によって固定されているんですね。

そのためこれらの筋肉に過度な緊張や、傷害などがありうまく肩甲骨が動かなくなってしまうと①肩甲上腕関節を過度に使う事で関節組織を傷つけてしまい結果として痛みが発生しているケースが多く見られます。
 
つまり肩甲上腕リズムが乱れが肩の痛みに繋がってしまうんですね。
よく四十肩や五十肩の原因としても取り沙汰されたりします。(加齢によって筋肉が衰え肩甲胸郭関節の動きが悪くなる)

セルフチェック方法

仰向けに寝転がった状態で気をつけの姿勢からバンザイをして腕が耳の横に来るまで上げましょう。

その際肩甲骨が正常に動いている場合、肩甲骨の下角が体幹側面より出っ張るのが確認できます。

床とこすれる感覚で自分の肩甲骨が動いているかどうかもわかると思います。

ここで、肩甲骨が動かずに180度挙上する前に痛みを伴う場合などはこの肩甲上腕リズムが乱れている可能性が高いです。

セルフケア方法

ストレッチやフォームローラーにより肩甲骨周辺の筋肉を伸ばしたり筋膜リリースをする事で肩周りの筋肉のアライメントを整えましょう!

これら上半身の筋膜リリースについてはまた改めて解説して参ります。

この記事を書いたトレーナー
奥村 和正

奥村 和正

小学校から中学高校を通し様々な運動を経験するが、特に部活動ではレギュラーに定着出来なかったりと運動に対し次第に挫折感やコンプレックスを覚えるようになる。 大学に入りスキーにのめり込み、就職をせずにスキー選手の道を志し、競技と本気で向き合う中でフィジカル・メンタルトレーニングや食事の重要性に 気づく。また自身もプロのトレーナーのパーソナルトレーニングを受ける中で、何故今まで自分が出来なかったのかという気づきを得ることに楽しみを感じるようになり、徐々に指導者を志すようになる。   子供時代に運動が「できない」という経験が、自分に自信がもてない等様々な事に影響を及ぼした自身の経験を元に、子供を中心とした運動指導を志す。   現在はスキー競技を離れ、都内スポーツ教室やスキーのレッスンにて指導現場に立つ。総合的な運動、水泳等、様々な指導を経験する。 またいわゆる「運動神経の悪い」子供や障害を持つ子供に対しての指導法に関しても学んでいる。 NESTAキッズコーディネーショントレーニング スキー指導員 「一人一人の現状や目線に寄り添い、できた!という成功体験に導けるよう楽しく指導していきます!」

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