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2019.06.25(火)  榎本 茂樹

スクワットを正しく行うためのポイント!!~後編~

スクワットを正しく行うためのポイント!!~後編~

前回の

スクワットを正しく行うためのポイント!!~前編~

に引き続き、今回は後編をお届け致します。

スクワットでありがちなエラー動作②

前回は、前額面上におけるエラー動作(正面からみたエラー動作)について書きましたが、今回は矢状面上におけるエラー動作(側面からみたエラー動作)について書いていきます。

※前編からの続きとして書きますので、エラー動作②とさせていただきます。

例えば、運動経験のあまりない方に

「スクワットをしてみてください」

といった時に圧倒的に多い、矢状面上のエラー動作は、膝だけ前に出してしまうパターンです。

勘違いしないでいただきたいのですが、スクワットでは当然膝も曲げます。

また、スクワットでは

「膝をつま先より前に出すな」

といったアドバイスを耳にしますが、これはあくまで目安であり、例えば下腿が長い方がスクワットをすると正しいフォームでも膝がつま先より前に出ることもあります。

それよりここで着目して欲しいのは、

曲げている時の姿勢の股関節の角度が正しいスクワットに比べて浅い

ことです。

もう一つ、エラー動作を挙げていきます。

それは、背中が丸まってしまったり、上半身だけ潰れるようにスクワットしてしまうパターンです。

エラー動作②のデメリット

まず、ここでエラー動作①のデメリット(=この動作による弊害)を述べていきます。

膝だけ前に出すパターン、背中が丸まるパターン、上半身が潰れるパターン

全て共通ですが、一番のデメリットは

全てケガにつながるリスクが高い

点が真っ先に挙げられます。

膝だけ前に出すパターンに関しては、負荷を膝で支える割合が正しいスクワットに比べて強くなり、膝の関節組織を痛める可能性が高くなります。

背中が丸まるパターンや上半身が潰れるパターンでは、本来足首・膝・股関節といった脚の筋肉を使って負荷を上げるスクワットが、背筋や腰の筋肉を使って負荷を上げ下げする動きにすり替わってしまい、腰に多大な負荷がかかり、腰痛等を起こすリスクが高まります。

続いて、こちらも全てのエラー動作共通ですが、

臀部の筋肉に刺激が入らない

ということもデメリットとして挙げられます。

臀部の筋肉は見てもわかる通り、非常に大きい筋肉で、当然その出力は大きいものです。

その出力を出せるかどうかはスポーツのパフォーマンスにも大きく関わっています。

スポーツ選手がお尻が大きい理由はここにあります。

そして、スクワットでは、臀部の筋肉を鍛えるということがメインの目的の一つです。

つまり、臀部に刺激が入らないということはスクワットをしてる効果が半減していると言っても過言ではありません。

エラー動作②の原因と改善方法

エラー動作②の原因~その1~

では、なぜこのようなエラー動作が起きてしまうのか考えてみましょう!

まず、全てに共通して言えるのが、

股関節を上手く使えていない

ということです。

人間は【タスク志向】と言われており、例えばスクワットで「しゃがむ、下に下がる」という動作を脳で認識すると、「脚を正しく使う」といった動作の質よりも、「いかにしゃがめるか」といった量を優先する傾向にあります。

これにより

【代償動作】(=ある動作を別のかたちでカバーする動作)

が生じ、エラー動作が生まれてしまいます。

今回例に挙げてきたスクワットのエラー動作では、全て股関節の代償動作が膝や腰、背筋に出ています。

つまりは、股関節がうまく曲げ伸ばしできないことに原因があります。

エラー動作②の改善~その1~

実は、股関節だけ正確に曲げ伸ばしするといった事は非常に難しく、多くの方が様々な代償動作を伴っています。

その代償動作で特に多いのが、腰椎といって腰の骨の曲げ伸ばしと股関節の動きを混同してしまうパターンです。

このような代償動作を防止するには、股関節を正しく曲げ伸ばしするように神経を活性化し、それにより臀部の筋肉を使う感覚を向上させる必要があります。

それには、下記動画のようなトレーニングが非常に有効です。

エラー動作①の原因~その2~

また、これは背中が丸まる、上半身だけ潰れてしまうといったパターンに関しての原因となりますが、

体幹の筋力不足

が挙げられます。

背骨は本来首から腰にかけて、S字を描いています。

これにより人間は衝撃を吸収できたり、重い頭を支えることができます。

つまり、このS字は我々人間がケガなく、重い負荷に対抗するには絶対的に必要なものなのですが、背骨というのはやっかいで非常に動きやすく・不安定という特徴があります。

ですので、背骨のS字を維持するには腹筋や背筋といった体幹の筋肉を動員して、背骨を固定・安定させる必要があります。

そのような筋力が不足していると重い負荷を上げようとした時に背中は丸まってしまいます。

また、同様に体幹の筋力が不足すると重力に対して垂直方向に身体を保つことが難しくなり、上体が潰れやすくなります。

エラー動作②の改善~その2~

つまり、背中が丸まる、上体が潰れるといったエラー動作が出る方は、スクワットで重い負荷を上げる前に体幹をしっかり鍛える必要があります。

更に言うと、その時にただ腹筋や背筋を鍛えるよりも下記動画のように背骨をS字に保つようなトレーニングを行うと、背骨を固定する感覚もつけることができるので効率的にエラー動作を改善可能です。

まとめ

今回も前回に引き続き、スクワットでありがちなエラー動作を挙げてその改善方法をご紹介しました。

スクワットは正確に行う事で、多くの筋肉をバランス良く鍛えられるトレーニングですが、エラーが出たまま行ってしまうとケガにもつながり、せっかくのトレーニングが本末転倒になってしまいます。

ですので、上記の事を意識して正しくスクワットをできるようにしてみてください。

また、下記動画の後半(3:03~)でも、股関節を使って正しくスクワットするためのバリエーションをご紹介しております。

是非参考にしてみてください。

今回は前額面上での動作改善がメインとなりましたので、後編では矢状面上の動作(横から見た時の動作)の改善を後編ではお届けしていきたいと思います。

お楽しみにお待ちください。

この記事を書いたトレーナー
榎本 茂樹

榎本 茂樹

フリーランスのトレーナーとして、マイナースポーツ選手やスポーツ愛好家、スキーメーカーチームの陸上トレーニングを指導する一方、 銀座の超高級ジムにて各界のVIPのトレーニングやストレッチを担当しながら、独立を決意。 自身のスポーツ経験としては、早稲田大学入学を機にスキー競技にはまる。 大学卒業後に大手企業に入社するも、スキー選手活動の本格化に伴い退社。 幼少から競技に打ち込んでいた選手と渡り合い、成績を上げていくためにオフトレーニングの重要性を痛感し、 選手として、自身がウェイトトレーニング、ファンクショナルトレーニング、SAQトレーニング、 プライオメトリクス等様々なトレーニングメソッドを実践しながら学ぶ。 そして、選手活動を維持する為に、様々な職種に従事してきた中で、トレーナー職に大きな期待を込めて専門知識を習得する。 その後、ストレッチ専門店での実務経験を経て、スキー選手を引退し現在に至る。 「人が上達する姿を見ることに喜びを感じます。お客様の目標に寄り添って一人でやるとツラかったり、 地味で続けにくいトレーニングを、楽しく”効率的に”できるように指導していきます。

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