「キングオブトレーニング」
とも呼ばれ、多くの筋群を鍛えることが可能なトレーニング、それが
【スクワット】
です。
今回はそのスクワットを正しく行うためのやり方を伝授していきます。
スクワットでありがちなエラー動作①
スクワットでありがちなエラー動作として、まず前額面上での動作がいくつか挙げられます。
(前額面上での動作とは、身体を正面から見た時の動作の事です。)
その一つが、
【膝の外反】
です。
膝の外反とは、簡単に言うと、膝が内側に入ってしまうことです。
これにより、膝には捻じれが生じてしまいます。
膝はそもそも蝶番のように、屈曲・伸展するためだけにできている関節なので、膝が捻じれることにより無理が生じ、靭帯や関節組織に大きな負担がかかってしまいます。
これを重い負荷を背負って行うことを考えてみてください。
はい、ご想像の通り、ケガにつながります。
前額面上の動作でもう一つあるのが、膝の外反とは逆に、膝が外側に逃げてしまうことです。
これは実際にその動作をやってみていただけるとわかると思いますが、膝を外側に割ってスクワットすると(つま先は正面)、足裏の外側にしか自分の体重がかかりません。
そうすると、当然足裏で踏ん張る力や地面を押す力が半減してしまい、大きな負荷を持ち上げることはできないですし、脚の外側の筋肉だけ鍛えられ、バランスが崩れケガにつながります。
これらのエラーは、片脚だけ膝が外反する、あるいは片膝は外反しもう片足は膝が逃げる、もしくは膝が外向いたり内向いたり安定しない、といった形で片方だけに現れることやミックスした形で現れることもあります。
エラー動作①の原因と改善方法
エラー動作①の原因
では、なぜこのようなエラー動作が起きてしまうのか考えてみましょう!
それは、ズバリ
【固定筋】
というものを意識できていない、あるいは使えていないことによるものです。
固定筋というのは、簡単に言うと動作の中で骨や関節を固定させるために働いている筋肉のことです。
実際にその関節は固定されているので、固定筋として使っている筋肉はアイソメトリック(等尺性)収縮といって、長さを変えることなく機能しています。
そして、膝が外反してしまったり、外に逃げてしまうことの多くは、
股関節が内旋や外旋といった、スクワットには必要のない回旋の動きをしてをしまっている事が原因としてあります。
つまり股関節の内旋や外旋の動きを抑え、大腿骨(太腿の大きい骨)が捻じれないように働く筋肉を機能させることでこの問題は解決可能です。
エラー動作①の改善方法
では、原因が分かった改善方法を具体的に話していきたいと思います。
まず、膝が外反してしまうパターンの場合ですが、このエラーが出てしまう方の多くが
【中臀筋】
という筋肉を固定筋として機能させられていません。
中臀筋は、骨盤の後ろから大腿骨の外側についている筋肉で「骨盤の柱」とも呼ばれ、骨盤周りを安定させることに大きく関わる筋肉です。
この筋肉が固定筋として機能すると、
「骨盤が外側に流れる」
「大腿骨が外側にいきながら内旋する」
といった、膝の外反を引き起こす原因となる動きを抑えることができます。
そして、エラーが出てしまっている多くの方の場合、
「スクワットで中臀筋を意識して機能させてください」
といっても難しいと思います。
ですので、まずは中臀筋をしっかり鍛えて、筋力をアップすると同時に中臀筋への神経伝達を活性化させて、スクワットの時に意識できるようにすることをお勧めします。
そのためのトレーニングとしては、下記の動画のようなものがあります。
是非参考にしてみてください。
続いて、膝が外側に逃げてしまう方の場合、
【内転筋】
と呼ばれる筋肉を固定筋として意識させられていないことが多いです。
内転筋は太腿の骨盤の下部から大腿骨の内側に付着している筋肉で、両足つけてまっすぐ立つ時にも機能しています。
ですので、両足をつけた時に膝頭が外を向いてガニ股になるタイプの方はそもそもこの筋肉が機能させられておらず、このような方はスクワットをした時に膝が外側に逃げやすくなります。
そして、内転筋も中臀筋と同じように、まずは鍛えて、筋力をアップすると同時に神経伝達を活性化させ、スクワットの時に意識させられるようになることが重要です。
トレーニング方法は下の動画を是非参考にしてみてください。
まとめ
今回は、スクワットでありがちなエラー動作を挙げてその改善方法をご紹介しました。
スクワットは正確に行う事で、多くの筋肉をバランス良く鍛えられるトレーニングですが、エラーが出たまま行ってしまうとケガにもつながり、せっかくのトレーニングが本末転倒になってしまいます。
ですので、上記の事を意識して正しくスクワットをできるようにしてみてください。
また、下記動画のように、負荷を加えたスクワット前に中臀筋や内転筋に刺激を入れた状態でスクワットを行うというのも、改善に非常に有効ですので是非試してみてください。
今回は前額面上での動作改善がメインとなりましたので、後編では矢状面上の動作(横から見た時の動作)の改善を後編ではお届けしていきたいと思います。
お楽しみにお待ちください。