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2019.04.25(木)  青木孝介

股関節と胸椎の可動域を向上させる簡単なコツ【ランバーロックの利用】

股関節と胸椎の可動域を向上させる簡単なコツ【ランバーロックの利用】

身体の機能を向上させるファンクショナルトレーニングの世界では モビリティファースト という言葉があります。
 
モビリティとは身体の関節機能の1つである可動性の事をさし、モビリティファースト『可動性が最優先!』という言葉です。
  

もう少し詳しく説明すると『可動性が必要な胸椎や股関節の様な関節の機能が制限されていると、何をやっても “怪我なく質の高いレベル” の動作をする事ができません!』という言葉です。
  

可動性が必要な関節はいくつかあります。
中でも股関節胸椎可動域制限がある人は非常に多く、これらが身体の痛みやスムーズな動作を起こせない根源となっています
  

腰椎と代償動作が起こる仕組み


 
例えば股関節の伸展 (後ろの伸ばす) 可動域に制限があると、脚を伸ばす動作の中で代償動作として腰が反ってしまいます
 
同様に、胸椎の伸展可動域に制限がある場合も、腕を上げたり、上体の前傾姿勢を取る際の代償動作として腰が反ります
  

胸椎と股関節は腰椎 (腰椎骨盤帯) と互いに隣り合う関節です。

これらに可動域制限がある事で、本来安定すべき (スタビリティ) 関節のはずの腰椎が過剰に動き、周辺の筋肉に負担を掛けるのです
  

腰椎や股関節の可動域を向上させるモビリティトレーニングを行う際も、腰椎が過剰に動いてしまうと本来の可動域を引き出す事ができません

そこで ランバーロック と呼ばれる簡単なテクニックを使う事で的確に胸椎や股関節の可動域向上を行う事ができます
   

ランバーロックで可動域向上


 
腰椎の事を英語でランバー (lumbar) と言います。
この腰椎を固定する事を ランバーロック と呼んでいます。
 
繰り返しになりますが、股関節の伸展や外旋、胸椎の伸展や回旋動作を起こす時、可動域制限がある場合に代償動作として腰が反る 腰椎の過進展 が起きます。
 
この腰椎の過伸展を防ぐ為にランバーロックを利用します。
  

簡単に説明すると
『逆に腰を丸める (腰椎屈曲) させておく事で腰椎の過伸展が起きないポジションを作ります』
 
具体的には以下の様な種目があります。
 
◆ クックヒップリフト(股関節伸展)
POINT:片脚を屈曲しておく事で腰が丸まり、ランバーロックする事ができます。その状態を維持したままもう片方の脚でヒップリフトを行う事で、純粋な股関節の伸展可動域を測る事が出来ます。


 
◆ クアドルプド胸椎回旋
POINT:肘と膝を付ける事でランバーロックが完成です。そこから状態を回旋させる事で純粋な胸椎の回旋可動域を測る事が出来ます。

 
◆ 胸椎伸展withポール(胸椎伸展)
POINT:かかとにお尻を付け前傾する事で股関節の屈曲可動域の限界を越す事で腰が丸まりランバーロックの完成です。そこからポールを前に推し進める事で胸椎の伸展可動域を引き出す事が出来ます。

  

まとめ


 
胸椎や股関節の可動域を向上させるモビリティトレーニングを行う際に、腰椎が過伸展を起こさない様に ランバーロック を利用します。
 
腰椎を屈曲してランバーロックを行う事で、純粋な可動域を測る事ができます。
その中で可動域制限が見られる場合は、拮抗筋が拘縮(硬くなっている)している可能性が高い為、緩めてから行う事でより効果的に可動域の向上を行う事が出来ます!

この記事を書いたトレーナー
青木孝介

青木孝介

1988年静岡生まれ東京育ち 大手スポーツジムで10年間トレーニング指導。毎月100件以上のお客様のトレーニング指導を経験。 幼少期から水泳、野球、サッカー、テニス、陸上と様々なスポーツをかじる。競技能力を向上すべく思考錯誤をし筋力トレーニングに興味を持ち始める。しかし、「筋力トレーニングは筋肉を固くする、」という古い迷信を間に受け断念する。 高校時代に所属していた水泳部の大会でトップ選手との体格差にショックを受け、ようやく筋力トレーニングを始める。 筋力トレーニングを始めて数ヶ月で自由形のタイムが1秒短縮され、その効果を実感するも同時に引退の時期となり目標を失う。 大学に進学後、スキー競技にのめり込み、トレーニング熱にも再び火がつく。 数年後、高校時代の旧友と再会した際、友人達の衰えを目の当たりにし、トレーニングのアンチエイジング効果の凄まじさに気が付く。 自らトレーニングするだけでは飽きたらず、パーソナルトレーナー、スキー指導員の資格を取得する。しかし、必ずしも競技に直結しない身体造りに疑問を持ち始める。 様々な勉強していく内に、筋力増加以外にも身体に染み付いた動きを改善し、筋力の神経伝達の順序等を覚える必要性に気が付く。その頃FMSと出会い、FMS認定トレーナーの資格を取得する。 トレーニング指導のモットーは「目の前のお客様に尽くす事」

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